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「いや、ランバート待て。これは…」
「それも含めてこれから話しますので、まずは大人しく待っていてください」
ピシャリと言われてしまうとこれ以上は言えない。大人しく待つしか無くなった。
白いシャツに黒いエプロンを着けた背中がテキパキと動く。金の髪を一括りにしているのも少し新鮮だ。ほっそりとした首のラインが見えている。
料理がどんどん運ばれてくる。パンにスープにサラダに魚。それらが彩りよく並ぶ。最後にデカンタの水が注がれて、全員が席についた。
「では、いただきます」
「「いただきます」」
未だに状況が飲み込めないファウストが、おどおどと挨拶をする。隣にランバート、目の前にルカが座る。そしてルカの隣には謎の少年だ。
「ランバート、まずは彼を紹介してくれ。俺には状況が飲み込めない」
少しずつ食事を始めていたランバートの手が止まる。そして苦笑しながら一つ頷いた。
「彼はレオ。東地区の教会で孤児として育った子です。年齢は十四歳。今は教会を出て、住み込みの小間使いをしています。丁度昨日でお世話になっていた花街の契約が切れたようで、こちらに入ってもらったんです」
「小間使い?」
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