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「あなたはこれっきり彼女には関わらないし、この手のことからも手を引くと言ったじゃないですか。本来ならこれは教育委員会に報告すべきことだが、しかしながらあなたも私と同じ教師です。あなたを売るような真似はしたくない。だからこれで終わりにしてくださいとお願いしたじゃないですか!」
寺田先生は珍しくカッとなった。
鋭い眼光で倉知先生を睨むそんな表情は、生徒にも誰にもこれまで見せたことがない表情だった。
だが倉知先生も呼びだされた挙句、寺田先生に怒鳴られて感情的になった。
「いいですよ、教育委員会に言ったって。生徒に頼まれて紹介したって言いますから。
私は仲介しただけで撮ったのも私じゃないし、勝手に彼女がやってることですからね。まあ先生辞めるってのはこれ結構美味しい商売だからちょっと困るけど、まあ裏系のAV会社にコネもありますんでね」
「どうあっても彼女から手を引かないっていうのかね」
「だから彼女がこずかいに困ってるって言ってるだろ、このジジイ! 少しは今の女子中学生の現状知っとけよ。あいつが勝手にこずかい欲しさにやってるだけのことなの」
倉知先生は嘲るように笑った。
「彼女は客に暴力をふるわれたそうじゃないですか。それでもまだそんなことを自分のクラスの生徒にやらせるんですか!」
寺田先生はもはや怒鳴っていた。
それで倉知先生も言い返した。
「まあいいよ、実はソースはまだあるんだよ。ここにもう一つある。ハハハ俺のお楽しみ用。残念ながらもうこれが最後だけどね。後はあんたに売っちまったから。なにしろ教員試験受けたのも、中学の教師になろうと思ったのも女子中学生が好きだったからだからな、俺の場合。またこれをコピーしてネットで売りますから、ハハハ。残念でした」
その瞬間、寺田先生の中で何かがキレた。
と、次の瞬間、寺田先生は我を忘れた形相で倉知先生に襲いかかった。
倉知先生の方が二周りも若いが、しかし寺田先生は華奢な倉知先生などより身体も大きく、野球部の顧問兼コーチをしており、もともとは柔道をやっていた猛者だった。
倉知先生の腕を捻り、DVDを取り上げると、怒りに任せて倉知先生を背負い投げで投げ飛ばしてしまった。
窓際に投げ飛ばされた倉知先生はそのまま窓の下の壁に激突した。
だがその時、身体のほとんどは窓が空いている窓際の宙空にあり、その時足のバランスが崩れた。
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