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「ええ、グラウンドを巡回していて発見したんです」 警備員らしく寺島は真面目な顔つきで、死体のある現場の学校にやってきた越前屋という時代劇の悪徳商人みたいな苗字の刑事に話した。 「巡回してたらなんかあそこにあるなあと思って。それで一緒にいた人も「何か落ちてますね」って言われるんで、これは私の眼の錯覚じゃないんだなって思って近ずいてみたら」 「あなたお一人で巡回されてたんじゃないんですか」 越前屋は手帳にメモしながら、ろくに寺島を見もしないで聞いた。 「はい、たまたま寺田先生と一緒だったんです」 「つまりお二人で死体を発見されたということですかな」 「ええそうです。ねえ倉知先生あの様子じゃ上から落ちたんですかね」 「ええ、そのようですよ」 「じゃあ飛び降りたんですかね。まああんまりいい噂聞かない人でしたけど、自殺ですかね」 「ちょうど亡くなった倉知先生が担任をなさっていたクラスの真下ですからね。大いに考えられますが自殺ではありません。死体は仰向けに倒れていた。後ろ向きに飛び込んで自殺するのは考えにくいですからね。」 「え、でも下見るのが怖いから後ろ向きに背面飛びしたのかもしれないじゃないですか」     
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