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一瞬歯を食い縛り、双剣士は左右の剣で怒涛の攻撃を繰り出す。左右の剣は答えるように光と闇、聖と魔の輝きを放つ。それでも大剣を盾代わりに易々と受け止められる。手応えは薄い。
「剣も一撃一撃が軽くなりすぎている」
「そんなことは...」
双剣士は一歩後ろへ遠のき剣を構え直す。
大きく肩で息をする。
「次はこっちから行かせてもらう!」
大剣士が双剣士よりは遅いが勢いが桁違いの突進を放った。大地を踏みしめる音、風を切り裂く剛進。
「そんな簡単にはやられない!」
双剣士は左の剣を前に突き出した。突如その剣先に紅に染まる光が現れた。
「その炎は我を護り 草木を焼き尽くす 【炎壁】!」
双剣士がそう言い放つと剣先の光が瞬く間に形を取り、炎の壁を作り出した。
暗闇の中【炎壁】の炎が辺りを照らす。その熱は一般人は近づくだけで焼き付きてしまう。
しかし、大剣士はその壁へ突進して行く。5mの距離まで近づいたところで大剣士も言葉を紡ぐ。
「水のベールは我が身を包み 炎を弾く【水装】!」
突如宙に現れた水は重力に逆らい、まさしく一瞬で、極限まで薄くなり大剣士を包み込んだ。
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