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「あれは今のお前の手に負える相手じゃねぇ。お前は逃げろ」
「ふざけんな!クラスBくらいこれまで幾度(いくど)となく殺ってきただろ!俺も一緒に戦う!!」
双剣士は叫ぶように言い返す。その眼差しは黒く底は見えないが底知れない何かが感じられる。
「聞こえなかったのか!俺は今のお前って言ったんだよ。あれは俺ひとりでやる」
「ッ.......」
認めざるを得ないと判断したのだろう双剣士は歯を食い縛り俯いた。
「そしてお前はひとつ間違えている。あれはクラスBじゃない、クラスS相当だ」
「なっ!あれがクラスSだと!?だってあれは」
信じられないといった表情で双剣士はじっとして動かない魔獣を見つめる。こちらを観察するように動かない。
「ああ、お前より索敵系統の術が得意な俺がそう判断した、間違えではないだろう。しかしあの巨体のどこからクラスSの力が...」
その時、遂にじっとしていた猪の姿の魔獣がいきなり突進を放った。
「なっ!あいつの周囲の魔素の量はなんだ!?あれはこんな小ささの奴が操れる魔素の量じゃない!」
見ると魔獣の周囲にはおぞましいほどの闇色に染まる物体が浮いている。
これがクラスSの理由とばかりの魔素の量。
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