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今日大学に×××はいなかった。昨日の夕方から彼女の行方は、分からないままだった。 僕は暇になったので、小中学生の頃よく遊んだ人気のない場所(俗に言う秘密基地のような空き地)へ行くことにした。そこなら静かに本が読めそうだ。 そこはしばらく放置されていたため、そこら中に雑草が生えていた。駅が近いこともあり、かすかに電車の音も聞こえる。この空き地には街灯が一つたたずんでいた。それは、あの事件を僕に思い出させた。そのとき、後ろから草を踏む音が聞こえた。 「ここにいたんだね。**」 「×××もいるよ」 「そうだろうと思った。懐かしいね、ここ。姉さんのことを思い出すよ。君だろう? 殺したの」 僕は答えなかった。答えても、答えなくても彼は僕を殺すつもりだろう。 「君は人を殺すことを恐れたことはある?」 「君の姉さんのときは少しだけ。初めてだったし。何しろ事故に見せかけるのは大変だったんだよ。いつばれるか始終怯えてた」 「そうか。なら、君は僕を殺せない」 良かった。僕にも復讐心という気持ちがあって。 「大丈夫。2人殺したなら、1人くらい増えたって大差ないよ」 そう言って彼はナイフを振り上げた。
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