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「今日は朝からテレビが賑やかだったの。昨日の夜、新しく遺体が見つかったらしいわ。人通りの少ない路地の裏に雑に捨てられていたところを発見されたそうよ。警察は殺害方法が例の事件と似ていることから同一犯だと考えているみたいなの」 講義が終わってから、物凄いスピードでこちらに近寄ってきた×××が興奮気味に今朝のニュースを語ってきた。 「こういう話は違う所でしよう。ここだと周りの目が気になる」 「そうね」と言うと大人しく俺の後ろについてきた。 いつものファミレスでいつもと同じ注文をすると、彼女はさっそくさっきの話の続きをしてきた。 「今回の事件についてあなたの意見が聞きたいの。この前も他とは違う角度の意見が聞けたから」 昨日、俺に質問をして気まずい雰囲気になったことを彼女は覚えていないのだろうか。俺も心の狭い男じゃない。話題に乗ってあげることにしよう。 「そうだね。俺としては、今回は同一犯ではないと思うな」 「どうして?」 話に食いついてきた×××が身を乗り出した。 「不自然だとは思わないかい? いつも遺体を丁寧に扱うことに忠実だった。でも今回は、路地裏に捨てられていた。これは、明らかにおかしいと思う」 「でも、犯人があなたの言う自分の理想のために殺人をしていたのが、ただの快楽殺人犯になってしまったとも考えられると思うの」 「確かにその可能性も捨てきれない。だから、結局のところ俺も分からないんだよ」 「そう……犯人の目的は一体何なのかしらね」 そう言ったきりお互い黙ってしまった。俺には彼女の目的の方が分からなかった。何故こんなにも犯人に会いたがるのか。前に理由を聞いた気もするが、それだけではないはずだ。何か他にも、彼女は犯人に求めているものがある。だからこの事件に執着している。俺はそう推測した。 俺の考えが伝わったのか、こんなことを言い始めた。 「私ね、きっと犯人に殺してもらいたいんだと思うの。だって、自分では死ねなかったんだもの」 「どうして死にたいと思うのか聞いてもいいかな?」 彼女はほとんど俺と視線を合わせないようにして、ぽつぽつと彼女自身のことを話し始めた。
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