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6年前とある少女が殺害された。少女は近くに住む14歳の中学生で親との言い争いの末、家を出ていた。公園で時間をつぶしていた彼女の首筋を、犯人は切りつけた。犯人はその後、背中などを刺し完全に少女の息の根を止めてから、何故か街灯の下にその体を座らせた。 後日、付近を散歩していた近くに住む人の通報により犯人を捕まえるに至った。 しかし、6年経った今でも20歳前後の少女達が似たような殺され方をして見つかっている。 という話を俺の横に座った×××が、一生懸命俺に聞かせようとしている。彼女はこういった話が好きなようだが、正直俺にはそんな趣味はないため悪いが少々スルーさせてもらっている。彼女は友人が少くはない。だが、こんな話を聞きたい人の方が少ないのだろう。 というか、むしろいない。そのため、スルーはされるものの半分は話を聞いてくれているであろう俺は、話し相手に丁度いいらしい。 「死ぬってどんな気持ちなのかしらね。手首にカッターを当ててみたことがあったけれど、痛いだけで他に何も感じなかったもの。あなたはどう思う?」 そういう彼女の左手首には、うっすらと傷痕が見える。 「さぁ」とだけ答えて席を立つ。講義が終わったのだからこのまま残る必要もない。昼は何を食べようか。 後ろから「聞いたのが間違いだったわ」とつぶやく声と、彼女の友人Aが彼女に声をかけるのが聞こえた。
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