芽生えた想いの届く先は

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 ※※※  ――あれから、一ヶ月が過ぎ。  研究室へと帰還したメイは、今、調整台で横になっている。  その周囲では、沈痛な表情を浮かべた研究者達が、黙々と手を動かしていた。 (もう、身体へのリンクは、切れている)  思考回路のみは残っているようだが、それも時間の問題だろう。  ……強制回路への抵抗は、研究室内でも、賛否が巻き起こった。  密かに進めている国家プロジェクトの側面もあるため、危険な行動はしないよう、最新の注意を払ってきた。  今までにも、独断で動く個体はあり、そのたびに危険を論じられたこともある。  だが今回のように、研究者達のアクセスを跳ね除けることは、初の事態だった。  しかも、強制退去の指示を受けながら、抵抗を続けられたことも、だ。  研究者達は、事の重大さを認識しつつも、より強固な防護策を講じることで対処しようとした。  それは、彼女自身の知能と記録は残したままで、より互いがわかりあえるための方法としてだ。  ……しかし、それは見守り育てる、研究者達の考え。  彼らを保護する知見なき管理者達は、それ以上の対応を望んできた。  ――イレギュラーな感情をデータ化し、今後の対応策を編み出すこと。  ――その対応策が見つけ出されるまでは、同様の感情パターンの発生を停止すること。  ――そして最初の個体を、再構成し、解析の後に……処分すること。
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