プレゼント

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守屋さんの家で散々酒や料理をご馳走になり、そろそろ失礼しますとコートを羽織る頃には午後6時を越えていた。 昼過ぎに着いていたことを思うと、長々と6時間近くお邪魔してしまったことになる。泊まっていけばいいと言う厚意を丁重に辞退し、玄関先まで見送りに出てくれた守屋さんとその母に頭を下げる。 駅に向かって歩き出してすぐ、駆はまだ赤みの残る顔で微笑んだ。 「何かいいな、こう言うのって」 「あったかいね」 小夏の心もじんわりと暖められていた。こんなクリスマスイブも素敵だと心から思えた。 「こんな機会ももうないだろうし、トップシークレット教えてやるよ。もう時効だろ」 駆は前に広がる道を見つめて笑う。 「時効?」 「14歳の時さ、修斗と小夏と俺でクリスマスプレゼント交換したの覚えてるだろ?」 「もちろん」 「あれさ、俺が修斗のために計画したんだ」 「え!?」 驚いて大きくなった声が周りを取り囲む畑に響く。あまりに響くので反射的に口を押さえる。 「あいつさ、見てると焦れったかったんだよ。いつまで経っても気持ち伝えようとしないから。何かキッカケになればいいと思って計画したのに、あいつはそれに乗らなかった。あの頃小夏がネックレスを欲しがってるの知ってて、全然関係ないマフラーなんてプレゼントしやがった。マジで意地っ張り」 呆れたように笑う駆を見て、小夏はその場に足を止めた。今の言い方はまるで……。
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