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序章~全てものはじまり~
その昔、時は華やかなりし平安の世。傾国の更衣有りけり。
帝の寵愛を一心に受け、正妻や他の御息所達より
多大なる嫉妬をかう。更衣はいつも片時も己の一族の『家宝』を手放さずにいたという……。
本編に入る前に、この『家宝』について述べさせて頂く事をどうかお許し頂きたい。
何故ならこの『家宝』はこれから始まる物語を通して、脇を固める「ある重要」な役割を担う予定(は未定)だからてある。
その『家宝』は、透明でフニャフニャで、僅かに毒を持ち、時に食用、時に観賞用となり海に生息するアレである。
但しそれは沢山の種類があり、中には毒を持つモノもあり、取り分け猛毒を持つモノの中には人を死に至らしめる事もあった。
伸び縮みする触手が非常に優雅で美しい。
彼らは人類が誕生する前に存在していたが、未だ人間が飼い慣らす事は難しい。
そう、その「アレ」とは『海月』または『水母』と書いて「くらげ」と読むソレである。
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