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直哉は驚いたまま、着払いで届いた段ボールの中から飛び出してきた少女を見つめた。
少女の容姿は団栗目で大きめの人なつっこそうな瞳。そして、なかなか整った――そう、どちらかと言えば可愛らしいと言った形容詞が似合う顔立ち。そして肩までの金髪に、軽装の白いTシャツと半パン姿。
「はろ~」
笑って手を振る少女──『暁まりな』。
そんな少女を直哉は、ただ目を開いて見つめるしか出来なかった。
それもその筈。届いた着払いの荷物から人間が出てきたのだ。
驚かない人間は居ない。
まりなは、何も言えずに大口を開けて彼女を見つめている直哉の方へ歩み寄った。
「直哉、どうしてそんなに驚いてるのだ? オレ、暁まりな。ヨロシク」
すっと右手を差し出してきた。どうやら握手を求めているようだ。
「あ、あ・・・・あ、ああ。どうも」
何故か見も知らぬ少女がが自分の名を知っているのは何故か、と通常ならすぐ思いつくような疑問さえ、今の直哉の頭には浮かばなかった。
それだけ、彼の頭は混乱していた。
律義に返事をし、挙句の果てには差し出された手を握り返し、握手までしてしまう現状。
しかし、とりあえずこれだけは聞いておかねば!
「・・・・お前は一体・・・・・・何なんだ?」
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