5363人が本棚に入れています
本棚に追加
/505ページ
もうすぐ23時になる。
眠気はある。
それなのに、寝付けない。
奥村さんにとうとう、全裸をみられてしまった。
どうせ、あちこち触られているのだから……
どう言い聞かせても、恥ずかしさがよみがえる。
私は砂時計をみた。砂が落ちきっている。
明かりを完全に消した。
暗闇で目を閉じると、体の疲れに意識がむいた。
しばらく眠っていた。奥村さんが入ってくる気配で目を覚ました。
何時なのかわからない。
ちょうど、奥村さんが横になる側に背を向けていた。
背中に、体温が触れる。呼吸の音が聞こえてくる。
頭を撫でられる。
その手の優しさが、普段の奥村さんのイメージとは、かけ離れている。
寝ていると思われているはずだ。動くわけにはいかない。
奥村さんは、ただ、頭をなで続ける。
ペットのように思われているのかもしれない。
「あんな変態の、どこがいいんだ?」
問いかけられた。
起きているのがばれてる?
変態って、教授のこと?
戸惑っているうちに、奥村さんの寝息が聞こえ始めた。
最初のコメントを投稿しよう!