プロローグ

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 先生はソファに腰掛けて待っていた。 「座りたまえ」  奥村さんと並んで座った。 「奥村君から報告を受けてね……現時点での君は実験に協力してもらうには不適格と判断した」  ショックだった。あんなことまでさせられて、おろされるなんて。 「ただ、君が、奥村君からの指導を受けて、ある一定のレベルまで達するのであれば、こちらとしては、少々時期が延びても、他の人材を調達するよりは効率的だとは考えている」  奥村さんの指導はどんなものだろうか。訊くと、引き続き協力するとの約束がなければ教えられないと言われた。 「期間は?」  質問をすると、先生は奥村さんに解答を求めた。 「指導できない週もあるので45日いただければ、耐えられるレベルになるかと」  どちらにしてもさっき受けた辱めに比べれば、どうということはないだろう。 「わかりました。指導を受けます」 「君なら引き受けてくれると思っていた。期待してるよ」  先生が嬉しそうに笑いかけてくれた。 「では、奥村君、頼んだよ」 「任せてください。早速今夜から取りかかります」
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