第1章

11/26
前へ
/26ページ
次へ
「どうも店長の土井です。 今回は時計をご所望と言うことで、 どういった物がよろしいですか?」  俺は加奈子に耳打ちする。 「おい、 あんまり失礼なことはするなよ」 「何当たり前の事言っているのよ。 もう子供じゃないんだから大丈夫よ」  まったく大丈夫な気がしない。 心配する俺を余所に加奈子は土井と会話を進める。 「予算は十万ぐらいで、 仕事でも使えるようなデザインの物がいいですね」 「そうですか。 それではこちらなんかどうでしょう」  土井は豪勢は装飾がされた箱を一つ差し出して中を開ける。 シルバーのシンプルで整ったデザインの時計だった。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加