第1章

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「それではお会計が40万になります」  にこやかに言った土井の言葉に驚く。 「おい、 10万じゃないのか。 なんで値段が定価より高くなっているんだ」 「何をおっしゃいますか。 時計は10万ですよ。 よくお読みになってください」  先ほどサインした紙に時計の値段の横に小さく手書きでアドバイス料20万紹介料20万と書き込まれていた。 「こんな後書き無効だろ!」 「しかし、 サインされておりますし」 「ふざけるなよ!」  なおも抗議しようとる俺を加奈子が手で制する。 「サインしたのは事実よ。 兄さん。 仕方ないわ」  加奈子は鞄から封筒を取り出すと40万を取り出して土井に渡す。
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