第1章

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「いやー。 想像していたよりも遠かったよ」  助手席に座りながら背筋を伸ばす。 「兄さんが住んでいる場所からだと電車で三時間はかかるからね」  苦笑しながら加奈子が車を発進させる。 妹は去年結婚してこの場所に引っ越した。 聞いたこともない地名でネットで調べると山奥にある地方都市のようだった。 「でも、 自然が多くて良いところだと思うよ。 冬だからちょっと残念だ」 「私たちは都市部で産まれ育ったからね。 自然って珍しいから。 私も自然が多くてこの町気に入ってる」 「それはなによりだ」  車が駅から少し離れると店が並んでいる通りにはいった。
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