一章 動き出す時間

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 フィラ・フィアは腰に手を当てて、挑戦的な目つきで「すべての元凶」を睨むように見た。いきなり話を振られたフィレルは反射的に「はい!」と答えてしまっていた。その答えを聞いて、彼女は力強く微笑む。 「なら協力して、新生『封神の旅団』に! わたしを呼び出した責任は取るべき! だからあなたはわたしとともに、残った神々を封じるの!」 「ええっ、無理!」  叫んだら睨まれた。フィレルは焦る。あ、まずい。この状況はまずい。でも死にたくないしだいいち七人の旅でも生き残ったのがたった一人みたいな超過酷な旅に二人きりでどうにかなるとは思えないしいくら責任取ると言ったってこれはあまりにも過ぎた罰なのではないと思うし絵心師風情が旅の助けになるどころかかえって邪魔になるのではないかとさえ危惧するしああとにかく助けてロア兄上!  首を振りながら固まったフィレルを見て呆れたように溜息をついてから、ロアが助け船を出した。 「あなたがフィレルを連れていくというその決意は、本物か」  フィラ・フィアは何も言わず、瞳に炎を燃やして頷いた。ロアは再度溜め息をつき、いかにも渋々といった体で言った。 「仕方ない、オレも同行しよう。フィレルしか同行者がいないんじゃ心配で見ちゃおれんしな……。いいぜ、行ってやるよ」  その言葉を聞くなり、フィレルは目に感激の涙を浮かべてロアに抱きついた。 「わぁい! ありがと、ロア!」
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