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「――フィラ・フィアの邪魔をするな! 消え去れ!」
すさまじい勢いで振りかぶられた幻の剣が、純白の獅子にぶち当たる。純白の獅子は吹っ飛んだが、離れたところで華麗に着地する。
それらの様を安全な高所で眺めていた赤と黒の男は、嗤った。
「くくく、面白い。人間のくせになかなかやりおるわ。しかし甘いな。それでは我を封じられやせん!」
「うるさいわよ! 人間に迷惑をかけて、苦しませて、悲しませてっ! そんな神サマなんて、消えちゃえばいいの!」
「などとほざいている馬鹿がいるが、ラウラ。どちらが真に偉いか、見せつけてやろうではないか? 世界を創ったは我らが神! 其を忘れて封印などとは、おこがましいにもほどがある!」
宙に浮いていた赤と黒の男――戦神ゼウデラの声に応え、ラウラと呼ばれた白獅子は吠えた。
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