親父銀行に預けなさい

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「母さん、明日は学と一緒にドライブしてくる。冬休みの間に一日ぐらいはいいだろう。借りた車は二人乗りだから、母さんはすまないけど留守番してくれ」 「ムリにあたしを連れて行くなんて言ったら暴れるつもりだったけど、修にしちゃ気が利くわね。いい骨休めになるわ」 母さんは嬉しそうだけど、冗談じゃない。 「僕の都合も聞かずに勝手に決めないでよ!父さんと一緒になんか行かないから」 「可愛いなあ、学は。そんなに照れなくていいんだぞ」 「父さんとどこかに出かけるなんて恥ずかしくていやだと言ってるんだよ」 「いやあ、これが青春ってやつだよ。眩しい反抗期だ!」 懲りなくて自分勝手でだらしのない父さん。 明日になれば、どっちみち気が変わって自分の言ったことなんて忘れてるんだ。 いつものことだと、僕は気にもとめなかった。
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