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「カナ!お前!」
「わかってるわ。アンタらがそういう関係な事も。だからここへ連れてきたの」
「はぁあ!?」
「進展してないんでしょ?ジュンヘタレそうだもん」
「いや、だから!!」
『まぁまぁ』と興奮気味の潤の肩を望月さんが後ろからポンポンと叩き、後ろ手に隠している何かを取り出した。
「こういう風になりたいんとちゃうん?」
望月さん出したそれは、表紙から見ても過激な内容だと示唆出来る本だった。潤はまた変なもの見せるなと大慌て。光城くんはよく見えないよと困り顔だった。
二人の反応を見て望月さんも矢切さんも大満足だったみたいだ。
「いやー!買った買った」
「カナちんと友達になってまさかウチまでコレを好きになるとはなー。恐ろしい魔力を秘めとるでblは」
目当ての物を買えたみたいで二人はとても満足気。
「『あれは!!』ともかくとして普通に面白かったな。あんな懐かしいものがおいてあるなんて」
一瞬二人の事を睨み付けると、潤も意外と楽しめたようで言葉と表情程の怒りは無かった。
「僕も買っちゃったよ。この変身ベルト。子供の頃ずっとほしかったんだ」
光城くんも店を物色して見付けた物をジーっと見ていた。値段は信じられない値段がついていたが、光城くんの誰にも出来ない値切りで持ち金の範囲で購入していた。その時、男女問わず店員が光城くんに怪しげな視線を送っており、顔はとても緩みきっていた。
また店でイベントがあるらしくて、それに光城くんが参加することが条件で破格の値段で購入できたのであった。
「ヒカリ。お前ソレ着けて帰るのかよ」
「もちろん!“母さん”と萩野達に見せびらかしてやるんだ」
小さな子供のようにえっへんと胸を張る彼を見て皆表情が優しくなっていた。光城くんの事を、いつも一歩下がっている所にいる存在と思っていたけれど、どうやらこの四人の中心は光城くんのようだった。
そして、やっぱり彼の事が一番気になる。私と同じく、『みんなと違い』でも私とも『違う』特異な存在を。彼について色々と聞いてみたくなり、勇気を振り絞った。しかし、その勇気が吹き飛んでしまう出来事が起きてしまう。
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