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「ねぇ光城くん──」
「あれ?秋瀬さんじゃない?」
その声に体が固まった。聞き覚えのあるその声に悪寒が走った。背中から嫌な汗が流れている。喉がカラカラになる。潤達はその声の主の方を見ている。
「どちらさん?」
望月さんが問う。
「秋瀬さんの知り合い?」
矢切さんが問う。
「おい。秋瀬?」
「秋瀬さん?大丈夫?」
潤と光城くんが私の異変に気づいた。
「もう。久し振りなのに顔くらい見せてよぉ。ア、キ、セ、さん?」
その声の主である女は、無理矢理私の肩を回して対面させた。
「袴田……奈央……」
一番私が会いたくない人物。同じ中学だった『袴田奈央』がそこにいた。
この時私がいつものように帰っていればこの人達と会うこともなかったのに。
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