-Still world is beautiful それでも世界は美しい-

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「そう言えば二人は昔から仲が良かったの?」 隣で絵を描く瑠璃に私は聞いた。特に気になっていた訳ではないのだが、今まで何回かこうして一緒に居たけれど聞いたことはなかったから、思い付いたし聞いてみたのだ。 「ううん。学校で初めて仲良くなったの」 「その割りには未来は随分と瑠璃になついているのね」 「意外かしら?」 「そうね」 未来と瑠璃のコンビはかなり意外、というか異端であった。明るく活発で既に有名人で人気者の未来に対して、あまり目立たないで大人しいと言うよりは、大人っぽく、ミステリアスな瑠璃。陽と陰の両極にいる二人は対を表しているようにも思えた。 しかし、私はこういう意外な組み合わせでも上手く付き合っていた二人を知っている。だから、周り程頭に疑問符はついていなかったと思う。 「未来はああいう子だからね。入学してすぐに身体測定があったでしょ?その時にちょっとお話ししてね。後は紗綾と同じ」 そう言えば未来は身体測定の時に色んな人に話しかけていたっけ。私も話しかけられたけど急に話しかけられてビックリしてしまい、緊張して上手く話すことは出来なかったな。あの後一人反省したんだった。 「あっ。未来が決めた」 見事シュートを決めた未来は拳を天に突き上げて跳び跳ねて喜んでいた。わかりやすく喜ぶ未来。その姿でこちらまで嬉しくなる。すると、未来がこちらを向いた。 「こっちに気付いたわね。手降ってあげたら?私は絵を描くから」 「そうね」 『おーい』と未来に手を降ってみせる。未来もそれに対して先程と同じくらい元気よく手を降ってくれた。未来が手を降り終わり、練習を再開した。 「未来ちゃんって本当にかっこいいよねぇー」 その声の方を見ると恐らく、うちのクラスメートが数名いた。恐らくの通り私はまだクラスメートを把握できていない。知ってる顔が一人いたからきっと皆クラスメート何だと思っただけだ。 彼女達はえらくキャーキャー言っている。自分もあれくらい元気はあったはずなのだが、最初の四月と五月の二ヶ月で随分と大人しくなってしまった。 しかし、それでもこうして友人が出来たことを考えれば別に良いかと思えてくる。 私はその後も瑠璃と一緒に未来の練習を見守っていた。
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