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02
「おや?おやおや?どーしたんだいMy daughter。やけにご機嫌じゃあないか」
朝っぱらからテンションの高いこのアメリカンハーフの父が私の顔を業とらしく除き混み鬱陶しく絡んでくる。
小学校の高学年に成ってからこうして絡んでくる。それは、潤や健に対してもそうだった。二人は良い子達だから、父のスキンシップに対しても嫌な顔はしなかったが、私は鬱陶しく感じる。
「おっちゃん楽しい人じゃん!?なぁ?ケンケン」
「少なくともうちのオヤジなんかよりはずっといいオヤジさんだと思う」
それはわかってる。悪い父親ではない。でも鬱陶しい父親ではある。昔はそうではなかったのに。
私が無視をしている。すると、鬱陶しく絡む父の隣に座っている母が新聞からそのキリッとして鼻筋の通った綺麗な顔を除かせた。
「どうした?なにかいいことでもあったか?」
母の蒼い眼がこちらを見ていた。とても厳格なのだけれども、それと同じくらい優しくてカッコいい。私は父は兎も角として、心から母を尊敬している。そう。父は兎も角として、母を尊敬している。大事なことなので2回言っておく。
「うん。友達がね。ようやく出来たの」
「そうか。潤や健には報告したのか?」
「したよ。二人は苦戦しているみたい。早く友達出来ればいいねって言ってあげた」
そんな他愛の無い会話をしている今ですら私は幸せだった。やっぱり友達が出来るのは嬉しい。それを報告するのはもっと嬉しい。
「それじゃあ学校行ってくるね」
「ああ。行ってらっしゃい」
母に手を降って、ついでに父にも手を降って学校へ行った。
「なぁエリカ」
「ん?どうした?」
「僕。サヤに嫌われていない?」
「…………」
「どうして黙るんだい?」
「安心しろ。サヤだけではない」
「えっ!どういうこと?」
「それじゃあ私も時間だ。ああ。そうだ。今日の特売。全て漏らすこと無く買ってくるように」
「……offcourse」
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