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玄関を出て待ち合わせの場所まで急いで走る。学校へは電車に乗っての登校だ。今まで一人で行っていたけれども、最近は三人で行くようになり登校も楽しみになってきた。 「紗綾。おはよう」 「瑠璃おはよう。未来は?」 「朝練」 「そっか。来週試合だもんね」 未来はサッカー部の一年生で唯一のレギュラー。スタメンではないのだけれどベンチ入りできたのは一年生で未来だけ。私は友達としてとても嬉しかった。私も瑠璃も頑張る未来の姿を見るのが大好きだった。 「瑠璃の方は?絵はどんな調子なの?」 「もう完成した」 「え!?そうなの?」 「言ってなかった?」 「聞いてないわよ」 「ごめんなさい」 「ちゃんと見せてよね」 「もちろん。その為に描いたんだから」 瑠璃も美術部で絵を描いている。部活最初の絵が未来の部活のシーン。未来がサッカーをしている姿も好きだけど、瑠璃が優しい表情で描く優しくて柔らかな絵も私は好きだった。 瑠璃は未来のように人気者ではなく、言葉数こそ少ないけれど、素直で良い子だ。それに、言いたいことはちゃんと言葉にできる芯の強さを兼ね備えている。大和撫子と言う言葉がピッタリだと思う。 「そうだ!今度の未来の試合見に行かない?」 「え?」 私のその提案に瑠璃は立ち止まる。しまっま。予定でもあるのだろうか。そう考える。私は慌てて 「あ。予定在った?」 と手を胸の前で振ってだったら良いよと言うと、首を横にかしげて、『はぁーっ』と溜め息をついた。
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