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「未来。貴女の体はもう貴女だけのものではないのよ?」
「もーわかったってー」
「わかってないわ。貴女が大怪我してもし私のモデルになった人が不幸になるとかそんな噂流されたら嫌よ」
「それ結局自分の心配してるんじゃ……」
キリッとした目付きになった瑠璃を見て未来は言葉を飲み込んだ。
「兎に角。体は大事になさい」
「はーい」
「おーい未来ちゃーん」
「ほら。呼んでるわよ」
「あぁ。うん。それじゃあまたね」
未来は決して私達とばかりいるわけではない。未来は人気者だからたくさん友達がいる。私も瑠璃も友達が少ない。と言うか私は瑠璃と未来しか友達が居ないし、未来が居なくなると自然と瑠璃といる時間が長くなる。
「相変わらず人気者だよね。未来は」
「紗綾だってそうじゃない」
「は?嘘ばっかり」
肩肘をついて眼を細めてジトーっと重い視線を瑠璃に送ると彼女は人指し指をスッと私の顔に突き立てた。それにぎょっと驚き、なに?と訊ねると差した指を更に別の方向へ向けた。その方向に眼を向けると私達を見ていた生徒がいた。私が眼を向けると眼を逸しておどおどとしている。
「ね?」
「いや、わからないから」
はぁー。とため息を一つ漏らす瑠璃。どうしてわからないのよ。と得意のやれやれ顔をする。
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