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「いいの?レギュラー外されるわよ?」 「外されるとどうなるの?」 「試合に出れなくなるんじゃないの?」 えー?しあいー?なにそれー?とうわ言、いや寝言を言ってその日は夢の中へ。授業がないのがせめてもの救いだったのではなかろうか? 結局のところ私は未来の家に泊まり込み、ついでに瑠璃も呼び出して未来の宿題をやるはめになった。 中学最初の夏休みの最後の三日間は友人の家で友人の宿題を友人と三人で終わらせるというなんとも馬鹿げた終わりを迎えた。 「未来は眠ったみたいね」 「此れは暫く起きそうにないよね」 午前中で終了し、午後からは部活があるだろうに、この未来は練習の事など忘れて夢の中だ。私も徹夜だったのでかなり眠たい。しかし、この優等生の榊原瑠璃はあまり眠そうではない。と言うか、あの量を残した未来も未来だが、それを7月中に終らせた瑠璃はただ者ではない。 「瑠璃は眠くないの?」 「眠たいわよ」 「そうは見えないけど」 「合間合間に寝ているからね」 「合間合間?」 「そう。先生の話を聞いていてここは必要ないと判断すれば眼を開けたまま姿勢を崩さずに眠るようにしているの」 え?何その特技?初めて聞いたし、今までそんな人がいるなんて、私のこの短い人生の中では聞いたことがない。欠伸をしながら目の前のこのサッカー少女の未来にもその器用さを見習ってほしいと、彼女の頬をツンツンしてみると未来は少しだけ眉間にシワを寄せた。
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