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「そうだったの」
「うん。」
「どうしてアタシに話したの?」
「なんでかな?多分、紅さんにシンパシーを感じたからかな?紅さんもお父さんが居ないみたいだし」
碧は部屋の隅っこにある仏壇に眼を向けた。朱鷺も仏壇に眼を向けて表情が暗くなる。
それに気が付いて
「ごめんね。嫌なことを思い出させちゃったよね。重い話しもしちゃった」
「謝んなくていいわよ。重い話なら。重く受け止めるから。軽い気持ちで扱って良いものじゃないでしょ?」
「うん……」
コレを機に、碧と朱鷺の絆は深くなっていった。蒼と碧とは違う絆。
碧は普段はあっけらかんとしているが時々、どうしても潰されそうになるときがある。その時は朱鷺が側にいてあげて慟哭させてやる。
このときの言葉は決まっていた。
憎い。許さない。殺す。
そう言った負の感情を吐き出す。その役目は生徒会でのパートナーであり恋人でもある蒼ではなく、親友……いいや心友の朱鷺なのだった。
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