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<chapter3 碧の闇-emerald of darkness->
「え?」
「ごめんね。気にしないで」
「それを答えるには色々聞かないと。ミドリは……恨んでるのよね?お父さんのこと…………」
「うん…………」
「殺したいほど?」
「うん…………」
「でも、本当に殺したりはしないわよね?」
「どうかな?僕…………母さんが大切だったし。その大切な母さんは働きすぎて……」
「うん。わかってる。でも。やっぱり憎しみよりも愛を選択してほしい」
「大丈夫。アオちゃんのこと、ちゃんと愛してるよ?」
「ありがと」
「でも、母さんへの愛情も本物。君と比べることは出来ない。そして、母さんへの愛情があるから……どうしても…………」
「私は待つわ。貴方がどんな道を選んだとしても、私は貴方を待つわ。それが人から忌み嫌われて酷い事をしても。私は貴方を見捨てない」
「ありがと」
碧はこれで決心がついた。自分の選ぶべき道。何を犠牲にして、何を得るのか。母への愛。恋人への愛。父親への憎しみ。
答えは出揃った。
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