<chapter3 碧の闇-emerald of darkness->

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そして、その時が来た。 「ミドリ?どういうことなの?」 「ああ。アオちゃん。見ての通り復讐だよ?」 「復讐って、どうして私のお父さんを?」 「鈍いな。なんでってさ」 とあるビルの屋上に三人はいた。一人は翠川碧。もう一人は青野蒼。そして、もう一人は青野蒼の父で 「僕のお父さんだよ?」 翠川碧の父でもあった。 「うそ……うそでしょ?」 あの時。碧は蒼に全て話した。卒業式の時に、父親を見付けたことを。すると蒼は「そう」とだけ答えた。その時にもし復讐して、手を汚すなら、私も手伝うと言い出した。しかし、碧はそこまでしてもらう必要はないと言ったが蒼は碧の大切なお母さんを死に追い込んだ人を私も許しておくわけには行かないと泣きながら懇願した。一緒に地獄に堕ちよう。そう言ってくれた。 碧はわかったと言い。二人で手頃なビルを探した。屋上まで登れて、老朽化が進んでいるような廃ビルを探した。運良く見付けたそこで復讐は行われることになる。 そして今日、復讐が達成される時が来た。成功しようと失敗しようとこの先にあるのは地獄。陽の目を見ることはもうない。 蒼はその覚悟は出来ていた。しかし、目の前にいるのは自分の父親だ。それも碧の父親だともいう。 「うそ……」 「うそじゃないよ?ね?お父さん」 碧は椅子に縛られている父と呼ぶ男性の髪を引っ張り顔をあげさせた。
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