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「ここまではミドリのシナリオ通りだったのよ」
紅朱鷺は病室のベッドで寝ている蒼に語りかけていた。
「ミドリはね?悩んでいた。母親との愛情と、父親への復讐の間で。そこへアオ。あんたへの愛情が入ったことで愛情が勝ったのよ。父親への憎しみは捨てたって言ってたわ。でもあの日……出会ってしまったことで運命は変わったのよ。ううん。あいつの言葉で言えば宿命は変わらなかったのよ」
碧はよく言っていた。運命は変えられると。しかし、宿命は変えられないと。
「そして、卒業式の日に決心したんだって」
その話を紅朱鷺が聞いた時。この結末は見えていた。
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