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<chapter1 碧と蒼-emerald and sapphire->
「ミドリ?」
「ん?どうかしたかい?」
「最近どうも元気がないみたいだけど、どうかしたの?」
「そうかな?」
「そうよ。今日の授業だってあまり集中出来てなかったように見えた」
「そんなことないよ。さ!帰ろ?」
「わかった」
青野 蒼は翠川 碧が隠そうとする何かを聞き出すことをしなかった。と言うよりかは出来ないでいた。
これ以上踏み込んでしまってはいけないんだ。そう思ったのだ。
青野蒼と翠川碧は付き合っていた。告白したのは蒼の方。
出会ったその日、お互いの名前に色が入っていると言う共通点から何となく打ち解けて、以降二人は普段から行動を共にすることが多くなった。
また、三年に進級してからは二人とも生徒会に入り、碧は会長、蒼は副会長のコンビだった。
二人が生徒会に入ったのを機に蒼の方から告白し、それに対して碧はにっこりと笑って応えてくれた。
二人の距離はかなり縮まった。もはや熟年夫婦かとも思える程の仲で、生徒会に在籍している二年生の他の役員の事は子供のように思っているんじゃないか?と言うような接し方もしている。
ただ、蒼はどうしても碧に心を許されていないと思うところもあった。
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