<chapter4 愛と憎しみ-love and hatred->

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「ごめんね。トキちゃん」 「私はアンタを止めたい!!でも、アンタを止めることは出来ない……止めていいハズがない……だって……だって!!!」 もう碧は、恨まれて死ぬことでしか愛する人の気持ちを守れない。愛する人の想いを守れない。可能であれば自分が二人の父親を殺して、二人から恨まれてやりたい。しかし、碧はもう決心がついている。 碧は真剣に蒼を愛していたのだ。だから蒼を傷つけず、蒼が自分を憎しむことが正しかったと思わせることにした。 父親に復讐をし、蒼に自分を恨んでもらって、愛を憎しみに変えてしまい、命を絶つ覚悟が出来ている。 その常軌を逸した覚悟を肯定しよう。いいや、しなくてはダメだ。 だから、だからせめて今だけは泣かせて欲しかった。二人の心友の愛の結末と、悲惨な宿命を受け入れるから。だから今だけは思いきり泣かせて欲しかった。 「出来るの?」 「大丈夫。今なら何でも出来る気がするんだ」 碧は斬り裂き魔になり、無差別に人を襲うことを提案した。 蒼が自分への憎しみが大きくなりすぎて自分を殺してしまった時、正当防衛が認められるように仕向けるには、自分がサイコパスな犯罪者で、且つ自分の父親を傷つけられ、それを守る意思を持たせる必要がある。そうすれば正当防衛は認められるハズだ。 無論そうならない為に最善……いいや、最悪を尽くす。 最後まで蒼には自分を憎んでもらう。
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