<chapter4 愛と憎しみ-love and hatred->

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「紅先輩……」 「朱鷺」 「紅」 病室の外にいた、翠川碧を慕っていた友人や、碧や蒼と同じく生徒会役員を勤めていて、新学年より生徒会長となった後輩達にも聞こえていた。 「アンタ達……帰るわよ」 「説明くらいあるんだろうな」 「わかってるわ。場所を変えましょう」 朱鷺は共犯者だ。ここにいる彼等、彼女等に説明くらいして、罵声を浴びるくらいはしなくてはいけない。皆を引き連れて病院を後にする。 それでもまだ、蒼の病室からは蒼の慟哭が響き渡っていた。 退院してすぐ、蒼は何度か死のうと思ったが死ぬことはなく、碧の人生が幸せであった理由を探すために生き続けた。 どんな事があってもその意味を見つけるまでは生きることを、やめなかった。死ねなかったのだ。
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