<chapter4 愛と憎しみ-love and hatred->

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皆、この世界で生きており、大なり小なりそれぞれなにかを抱えて、それぞれ傷つけあって生きている。 それぞれ違う痛みを抱えている。 死のうと思った事だってあるハズだ。特に蒼は何度も何度も死のうとした。愛する人が死に、愛する人と自分の宿命を呪って何度だって。でも死ななかった。 死のうと思った時には必ず碧が残した手紙を読むことにしていたから。 手紙が手元に無いときは、自分の手に出来た最後に碧が残してくれた大きな傷を見るようにしていた。 そして、蒼はカウンセリングの仕事を始めた。大学に進学してからは、少しでも碧の事を理解しようと、心理学を学ぶことにし、その流れで現在の職に就く。 学校のカウンセラーとして、思春期の子供達の悩みを聞く事が、沢山の痛みを知ることが、碧への理解に繋がるハズだから。 そう信じて
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