<chapter4 愛と憎しみ-love and hatred->

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「青野先生……私…生きているのが辛い」 こんな相談は日常茶飯時だ。しかし、理由は毎回違う。もちろん理由が違えば答えも違う。ただ、それでも蒼は最後に言うことがある。 「生きることをやめてはダメ。生きることは傷つくこと。生きることは痛いこと。逃げたっていい。止まったっていい。だけど、生きることだけはやめてはいけない。その先に光があるかもしれない。ないかもしれない。でもそれを探して生き続けなくてはいけないのよ。それが生きるってことなの」 それを必ず言う。 太陽の暖かさも、月の美しさも、四季の匂いも、人の温もりも。死ねばわからなくなる。感じられなくなる。 こんなこと。答えになっていない。そんなことはわかっている。 人は言う。生きている意味なんてあるのか。 人は言う。生きている意味がわからない。 しかし、その意味がわかるまでは死んではいけない。生き続けなくてはいけない。 答えなんてこの世にはないのかもしれない。それでも探して生き続けなくてはいけない。 どれだけ苦しくて、辛くて、悲しくても生き続けなくてはならない。 私達は痛みの中で それでも輝きを探さなくてはならない 例え輝きがなかろうとも 例え真っ暗な世界であろうとも 生きている限りは手を伸ばさなくてはならない 生きることをやめようとしているあなた 死ぬことはいつだって出来る。だけど、生きることは今しか出来ないんだ。 だから、どうか生きることをやめないで? 生きる意味を探して?生きる価値を見つけて? 死ぬのはそれからでも遅くはないでしょう?
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