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「ま、アタシは妹と弟がいるし、お母さんもいる。ミドリよりは十分恵まれているわ」
朱鷺は、よりもなんて言葉使っちゃダメねなんて困った笑みを浮かべる。
私に何かできることは無いのだろうか?蒼は視線を虚空へ放つ。
「あーおちゃん?」
「へ?」
蒼がボーッとしていたら碧に両手で頬を挟まれてモニュモニュされた。
「どしたの?こわーいかおしてるよ?」
「あ、ああごめんなさい!なんでもないの」
ほんとかなぁ?と、聞く彼にええ。と返す。他人の事はよく見えるのに、自分の事は見えていない。貴方の陰った表情で不安になる人もいると言うのに。でもその陰りの意味を知ればどうしたって聞くことは出来なかった。
そして、時は流れて卒業式。当然翠川碧のご両親、否、まだ生きていると言われている父が姿を表すことは無かった。
朱鷺と碧と蒼が一緒にいると蒼の両親が顔を出した。
朱鷺は行ってきなさいと蒼に言うと蒼は待っててと両親のもとへ
蒼の両親は赴任先から帰ってきてくれて卒業式に来てくれた。
この時に知ったが、両親はこれからは本社勤務となり、共に暮らすことになったらしい。
コレからは四人で暮らすことが決まっていた。蒼の妹亜衣はとても喜んでいた。蒼も当然喜んでいた。
蒼が両親に二人を紹介しようと振り向くと二人は居なかった。
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