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『終業式の後、俺んちに集合な! クリパやろーぜ。
プレゼントもちゃんと持って来いよー』
クラスのリーダー的存在のヤマトくんの周りは、いつも人でいっぱい。
あちこちで『行く行く』と言う声が上がっている。
僕は少し離れた場所にいて、帰りの準備をしていただけ。
だって、僕が誘われるなんて。そんな期待、していない。
ただ、チラッと覗いた僕の目とヤマトくんの目がぶつかった。途端にヤマトくんは
『あー、そう言うわけだから…。じゃあ、帰ろうぜ』と、僕から目をそらして立ち上がった。
ヤマトくんとは家が隣同士だから、幼稚園の頃はいつも一緒にいた。
けれど、小学校に入り、いつしか一緒に遊ばなくなってしまった。
理由は、なんとなく話が合わなくなったとか、そういうことだと思う。
学校の友達って、クラス分けが『友達別け』になる。
クラスが変わると『前のクラスでは友達だったけど、今は違う』って、はっきり境界線を引かれてしまう。
新しいクラスに変わった時、元のクラスの友達が一人もいないと悲惨。
また最初から友達作りを始めなきゃならない。
だから、僕みたいに友達を作るのに時間がかかるようなヤツは、きっかけを探している間に、あっさり2学期が終わる。
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