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よろしく!
木の陰から出てきた男はシルクハットにタキシードで蝶ネクタイの姿。メガネをかけ、立派な口ひげを生やしている。およそ、山道にはふさわしくないいでたちの男だった。
「ははは。まあ、そう驚くな。私は手品師だ、よろしく!」
あまりに爽やかに挨拶してくる謎のタキシード男。熱男は驚いて言葉が出ない。当たり前だ、こんなうさんくさいタキシードのおっさんが突然山道に現れて!警戒するに決まってんだ、誰でも!
「なんで山の中に手品師がいるんだよ!おっさん、ナニモンだよ!俺は今、親友が連れていかれて大変なんだよ!そう思っている顔だね」
謎のタキシード男が穏やかな顔でこういうことを言うので、熱男は余計に驚く。まるで心を読んでいるかのようだ。この男は何者なのだろう?
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