最後のプレゼント ~ クリスマスイブの夜に ~

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 意識が少しずつ戻り始めたが、なんだか体が軽い。軽快に体を起こし、目をこらすと辺り一面に(もや)が立ちこめている。  近くから一定のリズムで流れる心地よい音が聞こえる。靄の先にあるのはどうやら大きな川らしい。  川に沿って歩いて行くとうっすらと明かりが見えてきた。その近くに4メートル近くはある人間の影が見えてきた。  さらに近づくとそれは大男で上半身は裸で、下は黒いズボンのようなものをはいている。 「これが三途(さんず)の川だ。  こちら側がこの世で、川の向こう側があの世だ。  お前はこれからこの川を渡って、あの世へ行くのだ」  大男は地の底から響くような低い声で話しかけてきた。
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