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「川を渡る前に、お前は後世の者に、一つだけある物を残すことができる。
百年の時空を越えて、それを渡してやることができるのだ。
さあ、どれにする、選ぶのだ」
大男の視線の先に3つの箱が地べたに置かれていた。
まず、目に飛び込んできたのが3メートル近くはある立方体の木箱である。
その横には1メートル四方の木箱。
そして、10センチメートルぐらいの小さな木箱がひっそりとたたずんでいる。
ふと、昔話にこんな場面があったと思い出したが、ちらっと娘の顔が浮かんだだけで、百年後という遠い未来に想像力は及ばなかった。
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