10人が本棚に入れています
本棚に追加
青年は木の床に倒れ込んだ。
命の灯火がいっきょに弱まったような気がした。
もう何もしたくない。
このまま眠り込んでしまいたい・・・・・・。
どんどん意識が遠のいていく。
父と母が笑ってのぞき込む姿が浮かんできた。
初めて自転車に乗った自分の姿、
中学校野球部最後の夏季大会で必死に飛びついてキャッチしたボール、
十八歳の時に初めてデートした彼女、
いろいろな場面が浮かんでは消えていった。
「これが走馬燈というものなのだな・・・・・・」
それらも少しずつ色彩を失い、浮かばなくなってきた。
最初のコメントを投稿しよう!