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その日只野は眠れぬ夜を過ごしていた。
走馬灯の様に浮かび上がっては消える悪夢の断片。
悔やんでも悔やみきれない過去の過ち。
その全てが只野にとって感情を逆撫でするのだ。
『あの時……。』
只野は後悔の念に晒され眠りにつくのもままならない。
ぼんやりとそんなことを考えていると、突然濁流の如く後悔の念が押し寄せてくる。
只野はその濁流が消えるまでじっと堪え忍ぶのだった。
薄暗い布団の中で震えながら朝を待つ。
朝になれば子供たちを起こす役割があり、少しだけ思考がズレる。
苦しみから解放されるのだ。
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