彼の景色

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車の運転が好きな裕美は、月に一度この道を通り、片道一時間近くかかる離れた街にある美容室に通っていた。 大学生の時からお世話になっている、お気に入りの美容師が店を移るたびに、裕美もくっ付いて行く格好で、最初はのんびり電車に乗って二十分ほどだったのが次第に遠くなり、去年その美容師が独立して自宅で開業してから、車で行くようになった。因みにその美容師は男性だ。不思議な記憶再生現象が始まったのはその時からである。
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