第3章 夏祭り

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会場は提灯や屋台の明かりに照らされて キラキラしていた。 百合花は初めてのお祭りにテンションが 上がり、おもわず走りだそうとしたところを 「迷子になって危ないから走らないでね。」 と美里に引き留められてしまった。 林檎飴、お面、美味しそうな屋台のご飯・・・・ どれを買おうか目移りしながら歩いていると 目の前にすごい人混みを見つけてたので 気になって近づいてみると そこには射的の屋台があった。 料金が普通の倍以上するので不思議に思って 景品を見てみるとどれも高価な品物だけど 景品の距離が遠く的も小さいため プロ並みの腕前がなきゃ倒せないくらいに 難しくなっている。 (やってみたい!)と思った二人は 自分が欲しい景品を探していると 百合花は真ん中から下の段にある 高級なお菓子や可愛いぬいぐるみ 綺麗な装飾品に目を付けた。 (こんなの余裕すぎるね。 毎日動物と勝負してるあたしからしたら 全く動かない景品なんて弱すぎるわ。 全部かっさらってやる。) 美里は一番上の棚に置かれた 白百合があしらわれている 綺麗な指輪に目を奪われた。 (これをゆりちゃんにあげたら喜ぶわ! 子供の頃からずっと 狙撃主のミッちゃんと呼ばれてる 私の実力でおとしてやるんだから!) と思いながら見つめていると 「やぁ!お嬢ちゃんたち。 良かったら一回やってみるかい?」 射的屋のおじさんが声をかけてきたので 2人は頷いてお金を渡した。 お金を受け取ったおじさんが 銃と玉を用意しながら 「玉は10発だよ。二人ともかわいいから おじさんが2個おまけしちゃうね! ちなみに、的を打つか景品落としたら その場でプレゼント! これはとても特別な銃だから 全部玉を入れて一気に打てるんだ。 くれぐれも人を打っちゃダメだよ。 それじゃ頑張ってやってみよう!」 と言った。
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