25人が本棚に入れています
本棚に追加
「ミッちゃんよかったね!」
「廉!頑張って思いを伝えたな!」
嬉し泣きをしながら町長コンビが
ドアの外から飛び込んできた。
「父さんたち、話があると出て行ったのに
実はドア越に様子を見ていたんですね。
見られていたなんて恥ずかしいです。」
下を向いて廉太郎は照れている。
その間美里は・・・・・
(私なにいってるの。本当は嫌なのに。
なんでそんなこと言うの。ねぇなんで?
ゆりちゃんがいるのに?
どうして?答えてよ。私!)
と心の中で自問自答していた。
「美里ちゃんどうしたの?
なんだか、ぶつぶつ言ってるみたいだけど。」
足柄が美里の顔を覗きこむ。
「あ!いや。なんでもないです。大丈夫です。」
美里は我に返った。
するとパパが
「それじゃあ、式の話なんだけどさ
来年のお雛様の日でどうかな?
春は新しい門出の季節だし
これから秋・冬になって寒くなるでしょ。
それに、結婚したら仕事をやめて専業主婦になるっていうのに
ミッちゃんは仕事ばかりで掃除・洗濯は
できるんですけど・・・・・・
料理はあまり得意でなくて。
まぁ、妻が死んだのに教えなかった
自分も悪いんだけどね。
だから春まで花嫁修行をさせてやりたいと
思ってるんだ。
うちのばあやが立派な花嫁に
育ててくれますから安心してね。
それまでお待ちください。」
と廉太郎たちに日程の話をする。
「わかった!来年の春にしよう!
廉、それでも大丈夫かな?」
「はい。僕も結婚式までに立派な旦那さんになれるように努力します。」
廉太郎が頷く。
「ミッちゃんもそれでいいかな?」
「うん。私、修行頑張って立派な花嫁になるわ。」
美里は作り笑顔で返した。
こうして、結婚式の日程も決まり
お見合いは終わった。
最初のコメントを投稿しよう!