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「あっあっ……あぁっ」
うんと大きく脚を開かされて、リョウは止められないままに腰を動かす。
愛らしくて健気な悠が上に乗って腰を動かす体位に、これ以上ないほど興奮を覚えてしまい、大人の余裕など何処か遠くに飛んでいってしまったみたいだ。
何度もナカに出したので、ぐちゃぐちゃという濡れた水音と、悠の閉じられない唇から絶え間なく漏れる甘い声が寝室にとろりと響く。甘い声が少し掠れてきてもう彼は限界なのだとリョウに訴えかけている。
白くて薄い肌には、知らぬ者が見たら皮膚病だと勘違いしてしまうほど執拗に残された痕。
特に悠が嫉妬して痛くなってしまったと抑えた左胸は酷かった。
己の底知れぬ欲望が恐ろしくなる。
何度拡げても甘く絡み付いてくる奥を突くと、ぴしゃり、と音を立てて殆んど透明の体液が真っ赤になった悠のペニスから溢れた。
そろそろ本当に限界で、いつもだったらもうおしまいにして、と泣きが入る頃合いなのに。
震える腕できゅっとリョウに抱きついて
「……もっと……リョ……ウさんが満足するまで……シテ……」
限界のくせに、健気な仕種で誘ってみせる。
水の膜で潤んだ瞳は瞬きすると、ぽろりと涙が溢れた。
「ごめんね、悠……」
もう、止めてあげるべきなのに、止められないダメな大人の唇に悠のちいさな唇がそっと重なった。
堪らなくなって再び腰を動かし始めたリョウに悠はしがみついてまた、掠れた甘い声を漏らす。
そうして、リョウが満足するまで何度も躯を繋げたあと。
二人で柔らかな布団にくるまると
「リョウさん……お誕生日、おめでとうございます……」
掠れて音が殆んど出なくなった声でそう言ったあと、悠は意識を失うように眠ってしまった。
「……参ったな。こんな可愛い誕生日プレゼント、もらったことないよ……」
眠りの淵で聞いた言葉は夢だったのか、現実だったのか最早悠にはわからなかった。
*****
「……っと、やべ……またキルされた……悠助けて」
新しいゲーム機を手に二人で並んでリョウのベッドの中。
「ちょっと待って下さいね、今そっち行きます……あ、リョウさん見つけた」
ゲームの画面中で倒れるリョウのキャラクターの元に悠が操るキャラクターが駆け寄る。
悠の操るキャラクターが手を翳すと、リョウの操るキャラクターは再び立ち上がった。
パンっ
と、そこへ何者かの銃弾が飛んできた。
「うわ、何処だ? あ、居たあいつかな」
悠は冷静に弾の飛んできた方向を探して、ライフル銃で狙いを付けると画面の向こうで遠く離れた敵を撃ち抜いた。
「上手いな……」
思わず感嘆の声を漏らしたリョウに悠が照れくさそうに笑った。
その顔が可愛くて、リョウはそっと顎を捉えて唇を塞いだ。
「ん……っ」
ちゅ、ちゅ……と軽いキスを楽しむ音が寝室に響く。
大きなリョウの掌が優しく耳をくすぐって、甘い時間がとろりと流れる。
そのとき
パンっ
と再び銃声が響いた。
「うわー! 何かいっぱい敵に囲まれてる!」
唇を離して慌ててゲーム機を手にして、柔らかな顔立ちにそぐわないほど乱暴にショットガンを連射し出した恋人の姿にリョウは楽しそうに笑った。
どんな高価なものよりも彼の楽しそうな顔が一番のプレゼントだということが伝わればいいと思い、寝転がる可愛い恋人の脚に自分の脚を絡めながらゲーム機をもう一度手に取った。
end
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