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目覚めると、目の前は無限に広がる青空だった。
僕は、どうやら昨晩、この大きな原っぱの中心にある木に登って足を滑らせて落下したらしい。
宇宙人と交信を試みて、ここには週に一度ぐらい訪れているものの、昨晩も失敗に終わったのだ。
だが、僕はまだ諦めない。
次は、もっと集中して瞑想しようか。
それとも気づいてもらえるよう、照明の力をもっと大きくするか。
改善の余地は山ほどある。
早速帰って研究しなければ。
僕は勢いよく上半身を起こす。
「‥‥うっ。」
落下した時に頭を打ってしまったのか、頭が痛む。
そんなに大きな木ではないから、大事にはならなかったものの、たんこぶができたような痛みだった。
僕は、自分の頭を撫でる。
「いてて‥‥ん?」
なんだこれは‥‥。
僕は、異変に気づいてパーカーのフードをかぶり、今までにないくらいのスピードで自分の家に向かって走った。
もともと運動音痴で、体育の授業もサボっているくらいの僕が、こんなに走れるとは、自分でもびっくりだ。
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