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「とりあえず、横きなよ。」
見た目とは裏腹に、意外と気さくな一面も、好感を持たれるポイントなのかもしれない。
僕は、静かにスピカの横に腰を下ろした。
「で、何で生きている意味なんてない、なんてこと言っての?」
人とあまり関わらずに生きてきた僕は、上手な相談の乗り方もわからず、ストレートに聞くしか方法が思いつかなかった。
「え、私そんなこと言ってないけど。」
「えっ。」
でも確かに、僕には聞こえたはずだ。
「面白い。輝彦君は、人の心が読めるのかな。」
スピカは口角を上げ、僕の顔を覗き込んだ。
慣れない顔の近さに、僕は思わずそっぽを向いてしまった。
「ごめんごめん。」
僕の反応を見て、スピカは慌てて謝った。
同い年なのに、まるで僕が子供みたいじゃないか。
「で、なにをそんなに悩んでるの?」
またもや、僕がストレートに聞くと、スピカは考え込んだ。
「輝彦君とそんなに仲良いわけじゃないのに、話していいのかな。いや、でも逆に話しやすいか。輝彦君友達少ないから、誰かに言いふらすとかもなさそうだし。」
その一言は余計じゃないか?と、喉元まで出かけていた言葉を僕は飲み込んだ。
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