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「前のは、学生のしあいだったろ?ちょっとだけだど最近のスパークリング映像がテレビ局の人から貰えてさ」
いつも思っていたのだが、こいつのコミュニケーション能力高いことに再度感心する。
まあ、つい最近までガキだったやつに警戒心をそんなに持つつもりはないが・・・俺の高校最後は県大会で敗退全国に出場できなかった自分としては高校チャンピオンには軽い嫉妬はある。
「速いな....」
映像でからでも速さがしっかり伝わる。生で見たらどんなものなのか。
しかし、全てが完璧ではない。
拳次と比べてガードが甘くどこか傲りを感じる。
そして、速さを求め過ぎているようにもみえた。
これなら勝てる。
日々の相手は日本チャンピオンに挑戦する拳次なんだ。
学生チャンピオンなぞしょせんヒヨコよ。
「このレベルなら、気にする必要はないな。俺の方が強いサンキューな」
ふんぞり返りDVDを止めようとリモコンを取る。
「続きに俺の対戦相手が録画されてる。見ないか?」
たしか、宮田さんって言う世界を期待されてる人だったよな。
停止ボタンにかけていた指を早送りにずらす。
「この人に勝てばお前はチャンピオンかぁ。
本当に羨ましいな...先を越されちまった」
あっ、ここからだと早送りから手を離す。
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